2020年Jリーグで一番使われたフォーメーションは?
2020年の川崎フロンターレはフォーメーションを4-3-3に変更して大成功を収めました。Jリーグでよく使われるフォーメーションといえば、ミシャ式の3-4-2-1かなと個人的には思うのですが、実際に一番使われたフォーメーションは何だったのでしょう。
今回は2020年のJ1全チーム全試合の試合開始時のフォーメーションを調べ、どのフォーメーションが一番使われたのかランキング形式で紹介していきます。
注意点
・データはJSTATsを参考。試合開始時のフォーメーションを集めたものであり、試合途中の変更は考慮されていない。
・下記のフォーメーションは同じものと計測する。3-4-2-1と3-4-3、4-3-3(逆三角形)と4-1-4-1。
・ここでの4-3-3は中盤が逆三角形のもの。正三角形の4-3-3は4-2-3-1に区分されている。
5位 3-3-2-2(67回)
使用したチーム…湘南、G大阪など
ガンバが前半戦、湘南はシーズン通して採用した布陣。2トップ+2インサイドハーフで中央を崩しやすいフォーメーションだが、3バック+1ボランチの形はビルドアップに苦労しがち。ガンバの宮本監督は2インサイドハーフをバイタルエリアに配置して流動的なパスワークを展開した。
4位 4-2-3-1(97回)
使用したチーム…名古屋、横浜FM、柏、清水など
オーソドックスな布陣だが、意外にも使われた回数は少なかった。シーズンを通して使用したのは名古屋くらいで横浜FMも18回の採用にとどまった。トップ下が攻撃の核となるのは、名古屋の阿部、マリノスのマルコス、柏の江坂といったメンツを見ればわかりやすいが、トップが1枚なので裏抜け専門のFWを置かないと手詰まり感のある攻撃になってしまう。守備の時は4-4-2にも変化できるのでバランスの取れたフォーメーションだ。
3位 4-3-3(102回)
使用したチーム…仙台、FC東京、川崎F、神戸など
王者が採用した布陣は3位にランクイン。川崎の攻撃に見られるように5レーンの攻撃がしやすく、攻撃に人数を掛けやすいフォーメーションだ。一方、3ボランチで中盤をカバーするのは厳しいので、守備時の配置が課題。川崎はインサイドハーフを1枚上げて4-4-2の形でブロックを形成し、FC東京は4-5-1のような形で守備を行った。ただ、4-5-1は重心が低く、相手に主導権を与える守り方となってしまう。
2位 3-4-2-1(139回)
使用したチーム…札幌、広島、大分など
いわゆるミシャ式のフォーメーション。シーズンを通して使用しているチームも札幌、広島、大分といずれもミシャが絡んでいる(大分の片野坂監督は広島時代にミシャの下でコーチを務めた)。ミシャ式はサイドでの数的優位が作りやすく、城福監督の広島は3バック+2ボランチでビルドアップが安定するといった長所がある。一方で守備は5-4-1のような形になりがちで、重心はかなり下がってしまう。
1位 4-4-2(196回)
使用したチーム…浦和、鹿島、横浜FC、G大阪、C大阪、鳥栖など
2020年のJ1リーグで一番使われた布陣はオーソドックスな4-4-2だった。とはいえ、セカンドトップ+ストライカーの2トップも4-4-2に計測されているので4-2-3-1と区別しずらいところもある。基本的にはサイドハーフとサイドバックの絡みでサイドを崩すのに長けており、守備時もバランスの取れたフォーメーションだ。可変式のロティーナの布陣は4-4-2に含まれている(JSTATsによれば27試合で使用)。
ちなみに3バックの合計は209回、4バックは403回。4バックが3バックの2倍近く使われている。
番外編
ここからは今季のJ1で数回した使われなかったレアなフォーメーションを紹介
・4-3-1-2(5回)
柏が3回、鹿島が2回採用した。2トップの下にトップ下を置けるのが強みだが、守備時は3ボランチで中盤を守らなければいけないので苦労する。
・3-4-1ー2(3回)
柏が2回、札幌が1回採用した。こちらも2トップ+トップ下の布陣にできるのが強みだが、守備時は2ボランチで中盤をカバーしなければならないので大変。ネルシーニョさんは2トップ+1トップ下の布陣が好みなのかな
・4-3-2-1(3回)
マリノスが3回採用。いわゆるクリスマスツリー型の布陣で、並びが綺麗だからウイイレで一度はやってみたくなるやつ。攻撃も守備も中央偏重になりがちで大変。近年まともに使用しているチームを見たことがない。
最後に今回のまとめに使った表を置いておくので暇な方は眺めてみてください。
データ引用元 https://www.football-lab.jp/